年間2700匹
年間2700匹。この数字は何を表しているかご存知でしょうか?正確な数字は2739匹。この数字は1年間に人間の手によって消されている犬の命の数です。現在、日本各地で年間2739匹の犬が処分されています。罪もない、私たち人間と同じ「小さないのち」が。以前と比較するとかなり減少していますが、これだけの数の犬が1年間で命の炎を消されているのです。
1匹の有名な犬のお話をご紹介させていただきます。
ご存知の方もいるかと思いますが、「ピース・ワンコ・ジャパン」という団体は素晴らしい活動をされています。団体のホームページでも紹介されていますが、その子犬は処分寸前で愛護センターから引き出された生後3ヶ月の子犬で、係員が抱っこしただけで恐怖のあまり失禁してしまうような臆病な子犬でした。人慣れもできておらず、なかなか心を開かない子犬でした。しかし、職員の懸命な努力により少しずつ心を開き始め、数年後には人間の命を救う犬となったのです。そう、「災害救助犬」となり日本国内をはじめ、災害が発生すると海外にまで行き多くの人を助ける犬となったのです。
この夢之丞くんは、いったい何人の人間の命を助けたのでしょうか?1人や2人ではないはずです。10人、いや、もしかしたら千人以上の命を救っているかもしれません。仮に千人の命を助けてきたとしましょう。考え方を変えれば、もしこの夢之丞くんが処分されてしまっていたら千人の人間の命は助からなかったという考え方もできます。犬の持っている能力は計り知れないものがあります。私たち人間は、犬が持っている「能力」に助けられている部分もあるのです。犬や猫を処分するのではなく、共に共存できる社会を目指していくべきなのだと思います。
※ 当サイトは、紹介している施設及び各団体様には掲載の許可をいただいております ※
動物を保護する理由
世の中すべての猫が野良猫という訳ではありません。飼い猫として暖かい家庭の中で愛情に包まれて暮らしている子もたくさんいます。飼い猫が存在する以上、野良猫の存在も忘れてはいけません。彼らは過酷な環境のなか、必死に生き抜いています。病気になっても治療する事もできず、一部の人間からは邪魔者扱いをされながらも必死に生きています。そんな野良猫を保護し、去勢手術・病気の治療を施し元いた場所に戻したり、里親を見つける活動を行っています。これ以上、悲しい子たちを増やさないために。なりたくて野良猫になった訳ではありませんから・・・。
元野良猫「太陽くん」との出逢い
太陽君は元野良猫で、私の知人が保護した子猫です。保護され提携している病院で治療・診察してもらったところ太陽くんは「白血病」に感染していました。獣医師の話では「生きて2〜3年」だろうという結果でした。まだ小さいのに、あと2年・・・。あまりにも残酷な結果でした。しかしそんな事は関係なく太陽くんは元気いっぱい!知人の家に一時的に引き取られ暴れまわるが続いたそうです。
太陽くんは知人宅に引き取られた後、鎌倉にある保護猫カフェ「鎌倉猫の間」の紹介で鎌倉市に住む裕福な家庭に婿入りすることが決まりました。しかも里親となってくれるご夫婦は白血病のこと、太陽くんに残された時間のことも承知され、温かく太陽くんを迎えてくれたのです。そして太陽くんは成長しながらこのご夫婦を照らす「太陽」となったのです。
太陽くんのベストショット5選
そして、恐れていたことが起こってしまいました。太陽くんの体を白血病が蝕んでいったのです。里親のご夫婦も自分たちにできることを精いっぱい行ったそうですが、太陽くんは立ち上がり、走り回ることはなく2024年4月に虹の橋を渡ったと聞きました。太陽くんは満足だったことでしょう。ご夫婦からたくさんの愛情と優しさをもらい、たった3年だったかもしれませんが幸せに暮らせたことを。そして名前の通り、里親ご夫婦にとって、かけがえのない「太陽」になれたことを・・・。
太陽くんの猫生を称えて、Youtubeチャンネルを2021年11月に開設しました。数多くの動画を投稿していますので、お時間のある時にご視聴いただければ幸いです。チャンネル名は太陽くんの名前をもらい、「南足柄保護猫太陽ちゃんねる」です。動画のご視聴と合わせてチャンネル登録していただけると幸いです。
一度飼いはじめたら最後まで責任を持って!
私のもとに耳を疑うような信じられない言葉が入ってくることが度々あります。それは「病気になってしまって、お金がかかるから引き取って欲しい」、「引っ越すことになり、引っ越し先で飼えないから引き取って欲しい」という言葉。動物とはいったい何なのでしょうか?人間のおもちゃ?それとも一時的な癒しのためだけの使い捨ての存在?違います。人間と同じ、「ひとつのいのち」を持った生き物なのです。飼い主が病気になったなどのやむを得ない理由ならまだわかります。しかし安易な気持ちでそのような発言をするものではありません。そのような人は動物を飼う資格などありません。安易な気持ちで動物を飼わないでください。猫や犬から見れば人間はかけがえのない「家族」なのです。もし私たちが信じている人から裏切られたらどう思うでしょうか?最初に文句を言い、悲しい気持ちになるのではないかと思います。しかし猫や犬は言葉を喋れません。動物も人間(飼い主)から裏切られたら同じ気持ちになるのではないのでしょうか?一度動物を飼い始めたのなら、最後「虹の橋」を渡るまで家族として責任をもつ、それが動物を飼う「飼い主」としての最低限の約束です。何度も言うようですが、そんな約束を守れないのなら動物を飼う資格はありません!猫や犬も人間と同じ、命をひとつしか持たない生き物なのですから。
小さくても命、年老いても命(動物愛護管理法)
私が暮らす神奈川県南足柄市は、川と山に囲まれた自然豊かな土地です。そんな自然豊かな土地でも時には残酷な現場となります
周囲に山が点在するため、カラス・ハクビシンやクマなどの野生動物も多く存在します。もしそんな環境の中に「飼えない」という理由で動物を捨ててしまったなら間違いなく野生動物の犠牲となってしまいます。何年か前、テレビのニュースで報道されていた生後間もない仔猫を袋に入れてゴミ集積場に遺棄するという事件がありました。しかし残念ながらそれと似たような事件も過去に発生しています。生まれたばかりの仔猫を袋に入れて川に流してしまったり、明らかに自力で出ることが不可能なくらい深い箱の中に仔猫を入れて遺棄したり・・・。また、畑に糞をするという理由でエサに農薬を混ぜて与えている農家もいると聞きます。これらは「犯罪行為」であり刑罰の対象となります。同様に傷つけるのも同じです。幸い、ありがたいことに日本には「動物愛護管理法」という法律があります。警察もこの法律が存在する以上、通報があった場合は捜査しない訳にはいきません。捜査し犯人を検挙することでしょう。「動物愛護管理法」の罰則の一例を挙げますと以下の通りとなります。
・愛護動物をみだりに殺したり傷とけた者
→5年以下の懲役または500万円以下の罰金
・愛護動物に対し、みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・愛護動物を遺棄した者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金
動物を飼う予定のある人は、事前にもう一度「いのちの大切さ」を考えてください。
どっちに連絡すればいいの?
以前、私が飼い犬(保護犬)と散歩をしていた時に、ある大きな木の根元に不自然な大きな箱(深さが約1m)が置いてあることに気が付きました。飼い犬も匂いで分かったのか、駆け足でその箱に駆け寄りました。すると箱の中は信じられない光景で愕然としてしまいました。なんと生後間もない、小さな仔猫が5匹も入っていたのです。私はすぐに神奈川県平塚市にある「動物愛護センター」に電話しました。担当者の話では「拾得物扱いになるので勝手に保護できない。警察からの保護依頼があってはじめて保護できる」との話でした。通話を終えてすぐに警察に電話しました。警察の担当者の対応は「平塚にある動物愛護センター」に連絡してくれとの事。やる気のない様子でそう言われました。警察にはセンターに連絡したこと、センターの職員から警察に連絡するよう言われた事を伝えましたが「今は他の件で人が出払っている」との返事。頭上にはカラスが数羽飛んでいました。猶予はありません。仕方ないので駅前にある交番に行き、対応してくれた婦警さんに一連の流れを説明し、先ほどの電話での対応についてお詫びをしてくれました。婦警さんが無線のような機器で巡回中のパトカーに連絡、一旦拾得物として警察署で保護し、その後は愛護センターで保護されるとの事でした。警察署には猫好きな職員さんも多いらしく、心配しないでくださいと言われました。もしかしたら散歩中に捨て猫を見つけた人がいるかもしれません。動物愛護管理法が制定されているこの日本で、散歩途中に捨て猫を発見した場合の連絡先や手順をしっかり定めて欲しいと思います。でないと飾りだけの法律になってしまいますから。
野良猫の現実、そして保護
猫の保護は、決して簡単ではありません。猫が集まっていると情報が入ると現場へ向かい、周辺を調査します。猫の通り道や集まる場所などを確認すると、そこへ捕獲器を仕掛けます。しかし猫も馬鹿ではありません。時にはおやつだけ綺麗に食べて罠にかからない子もいます。複数の猫がいる場合には、複数の捕獲器を仕掛けます。その時に私たちは信じられない光景を目の当たりにすることもあるのです。
↑この写真を見て、何を感じますか?
この写真は、ある中華料理店の敷地に集まる猫を写した写真です。器の中にはキャットフードではなく人間、おそらく客が食べ残した「残飯」が入っています。この猫たちは、キャットフードではなく人間の残飯を食べているのです。人間の食べ物の中には猫にとって有害なものも多くあります。味付けも同様、中華料理は比較的濃い味付けがされています。そんなことも考えず猫に残飯を与えるなど、知識がないのは明白です。
↑この子も、何を食べているのかはわかりませんが、おそらく人間の残飯を食べているのでしょう。ここの猫たちは、劣悪な環境で暮らしており、酷い疥癬の子も確認できました。
この写真は同じ中華料理店での写真です。避妊・去勢手術を行っていないため個体数が増えてしまっています。しっかりと飼育・管理できているなら良いのですが、この写真からわかる通り「野良猫」となってしまっています。中には首輪をしている子もいるため、近所の飼い猫が餌を求めて訪れているのだと考えられます。
野良猫は、なりたくて野良猫になった訳ではありません。おうち猫とは違い、暖かいベッドも無ければ美味しいご飯・おやつも無く、いつ食べられるかわからないという過酷な環境の中必死に生きています。これ以上野良猫を増やさないようにするためには、人間が考え方を変えなければ野良猫は減りません。お金を惜しんで去勢手術を行わなかったり、マイクロチップを埋め込まなかったり。今いる野良猫の保護活動をしているボランティアの方の中にはすべて「自費」で行っている方もいます。動物のことを軽視している人間はおそらく「馬鹿みたい。もったいない」と思うことでしょう。それは違い、愚かなのはそのようなことを言う人間です。自分の収入(生活費)を手術費用に充てたり病院の治療費やフード代に充てたり・・・。普通の人ができることではありません。しかし、愚かな人間がいる以上、そうせざるを得ないのです。猫を捨てたり虐待したりする人間がいる限りやめることができないのです。「飼えないから・病気になったから」と言って猫を捨てたり、お金がもったいないからと去勢手術をしなかったりすることが野良猫を増加させているのです。どんな仔猫でも数年経てば成猫になります。去勢手術を行っていれば子供は産みません。しかし手術を行っていなければ1回の出産で4~5匹の仔猫が産まれます。このようなことを繰り返して野良猫が増えていくのです。
猫に限らず、動物を「生かすも殺すも人次第」だと思います。
現在の日本には多くのボランティア団体が存在します。野良猫を保護し無償で去勢手術を行っている個人・団体もあります。また、保護をして手術を行い、手術後にもとの場所に「地域猫」として戻す活動(NTRという)を行っている団体もあります。
「動物の飼い主として恥かしくない行動・人間として責任ある行動」を人間ひとりひとりが行えば、かわいそうな野良猫(動物)は確実に減少していくことでしょう。そのような、猫と人間とが共に共存できる社会になることを私は願っています。
私たちができること
私たちができること・・・、それは動物に対する正しい知識・飼育に対する正しい知識をつけることだと思います。「飼いたいから猫や犬を飼う」という安易な考えで動物を飼わないでください。動物を飼うには「時間」と「費用」がかかります。私も犬を飼っていますが、飼い始めてから「自分の自由になる時間」と言うものは数時間ほどしかありません。
朝と夕方には約1時間の散歩、夜にも数分程度の散歩をし2ヶ月に1回は病院受診をしています。費用面でも多くの費用がかかります。(動物病院は実費)フードにおやつ、狂犬病ワクチンやノミ・マダニの予防薬、8種混合ワクチン。それにおもちゃやリード・ハーネス。安易な考えで飼い始めた人は耐えられないと思います。費用面で言うと、犬の場合ですが1回も病気にならないで健康診断やワクチン接種で病院受診した場合、おおまかに計算すると年間約25万円かかります。万が一病気などになると、この金額に治療費が実費加算される計算になります。時間面では、私は犬を飼い始めてから仕事以外で家を5時間以上空けたことはほとんどありません。泊りの旅行など、動物も一緒に行くなら別ですが人間同士の旅行など、犬の気持ちを考えたら考えられません。物価が異常なほど上昇している現在、動物(犬や猫)の飼育を検討している方は家族会議を開きよく考えてから行動するようにしてください。
ペットショップよりも保護猫・保護犬という選択肢も視野に入れて!
新型コロナウイルスが流行している期間中、癒しを求めペットを飼いたいという人が増えました。
しかも、保護猫を飼うのではなくペットショップで数十万というお金を出して購入している人が増加していたと聞きます。ペットショップで仮に20万円出して仔猫を買ったとしましょう。それだけの金額があったなら、保護猫なら何年生活できるでしょうか?ペットショップで買うのがいけないという訳ではありません。「猫・犬を飼う=ペットショップ」という手段の他に「猫・犬を飼う=保護猫や保護犬を譲り受ける」という手段もあります。保護された動物なら、20万円あれば数年分のフードとおもちゃ・ケージなど必要な物品が揃えられます。猫や犬を飼うのなら、ペットショップだけではなくボランティアや動物愛護センターなどから保護動物を譲り受けるという選択肢も頭の中に入れてください。
一緒に生活している保護犬の陸(りく)です。2017年に神奈川県平塚市にある動物愛護センターより譲り受けました。かかった費用は去勢費用の一部の数千円程度でした。私たち夫婦は以前から犬を迎え入れるために少しずつ貯金をしていました。個体の費用が数千円で済んだためケージやハーネス・リードやフード・おやつなど、貯金していた金額で必要なもの全てを揃えることができました。
私がひとつ疑問に思っていることがあります。ペットショップで販売されている動物と愛護センターなどで譲り受ける動物と何が違うのでしょうか?確かに、ペットショップで売られている子には「血統書」などが付属され血筋などが証明されているのだと思います。愛護センターなどにいる子は血筋が不明確な子が多く保護された子や自分勝手な心ない人間が持ち込んだ子がほとんどだと思います。しかし猫は猫、犬は犬なのだと私は思います。人間も同じだと私は考えます。有名大学を卒業している人も人間、中学校卒業後に社会に出た人も同じ人間。両者とも必死に生きています。学歴(血筋)の違いだけで差別的な考えが生まれることに疑問を感じています。
血統書のある子も愛護センターで暮らす子も必死で生きています。ペットショップで動物を買うことに否定はしません。しかし、私はどんなに裕福な暮らしを送っていても明日の命も保証されていない、保護された動物を譲り受け一緒に生活をすることを選ぶことと思います。